日本ランジェリースタイリスト協会 | HP
アンテルフィリエール上海2025|Young Label Awards 2025 ファイナリスト4ブランド解説
ランジェリーカレッジ学長の中根です。
2025年10月、はじめての上海に行ってきました。
今回上海に行った目的は『アンテルフィリエール上海』視察のため。
パリ国際ランジェリー展では、ランジェリーブランドメインで取材をしているので
アンテルフィリエールをじっくり見ることはないのですが、
上海はアジアということもあり、機会があれば見てみたいな~と思っていたところに招待状をいただき行ってきました♪
来年以降行かれる方もいると思うので、私の備忘録もかねて、経験談をシェアします😌
今日は、上海で見つけた、注目の新鋭ランジェリーブランド。
ヤングレーベルアワード2025のランジェリーブランドをご紹介します✨

2025年10月、中国・上海でインティメイトアパレル関連のOEM・ODM企業、素材・レース・資材メーカーなどが出展する「アンテルフィリエール上海」が開催されました。
会場で特に注目を集めていたのが、「2025年ヤングレーベルアワード」にエントリーした4つのブランド。
今回は、その魅力的なブランドたちをご紹介します♪
▼ 会場の場所などはこちらで記事にしています。
【保存版】アンテルフィリエール上海2025視察レポート①|空港・ホテル・交通・ざっくり物価事情
ヤングレーベルアワードとは?
下着・水着・アクティブウェアブランドを対象とした国際的なコンテストで、デビューから10年以内の若手ブランドが挑戦できる登竜門的な存在のアワードです。
入賞ブランドには、パリ国際ランジェリー展への出展(招待)などの豪華特典が用意されており、世界中のビジネスパートナーと出会える絶好のチャンス。
業界に新風を吹き込む、次世代のブランドを発掘する場として注目されています。
過去に日本からは以下のブランドがヤングレーベルアワードを獲得しています。
Maimia(2019年3位)
K+1%(2023年3位)
若手下着ブランドを支援する中国・上海「ヤングレーベルアワード2023」 日本から「ケープラスワンパーセント」が入賞 – WWDJAPAN
Aromatique(2024年2位)
【2位受賞】中国最大規模のランジェリー展示会「Curves & interfere Shanghai」のヤングブランド部門でAROMATIQUEが日本ブランド過去最高位を受賞 | 株式会社タカギのプレスリリース
La Sirène(2024年3位)
それでは、2025年10月上海で輝いていた4ブランドの魅力に迫ります!
1. GUAGUALADY(中国)1位
ブランドコンセプト: “SHOULD BE MORE” – 自分らしさの解放
GUAGUALADYは2023年に設立された
最高級6Aピュアシルクのみを使用した中国のブランドです。
パステルトーンを基調とした優しい色合いの中に、内面的な強さを秘めたデザインが特徴です。
– Instagram: [@guagualadyofficial] / [@guagualady_global]


2. THE INTERIOR(中国)1位
THE INTERIORは現代女性のマルチファセットな生活にフォーカスしたランジェリーブランドです。
ブランドの哲学は、ランジェリーが単なる下着を超えて、着用者の気分、感覚体験、そして自己認識を反映するものであるという考えに基づいています。
アクセシブルなラグジュアリーランジェリーとして位置づけられ、世界展開も視野に入れています。
グローバル展開を意識していることが伝わる洗練された今どきのデザインと、今の時代にフィットしたメッセージ。
ランジェリー好きな方は、 きっと好きだと思います。
– Instagram: [@theinterior.official]


3. JARDIN et LUNE(中国)
「身体は単なる物体ではなく、建築と芸術の創造者である」という哲学のもと、東洋の美学と西洋の技術を融合させています。ボディを一つの生きた芸術作品として尊重し、それぞれの女性の美しさを最大限に引き出すことを目指しています。
JARDIN et LUNEは、アートのような唯一無二の美しいランジェリー。
プレイランジェリーとアートが融合したランジェリーでした。
– Instagram: なし。中国版SNS rednoteにアカウントあり。


4. NEYI(日本)
とろけるようなシルクを使用した肌にも環境にもやさしいアップサイクルブランド。
肌ざわりの快適さの他、ブラやショーツの形は毎日着けたくなる『安心感』があります。
『着るスキンケア』という表現がぴったりなご自愛ランジェリーです。
– Instagram: [@neyi_official]
– ウェブサイト: Neyi-Slik – Neyi silk lingerie


ヤングレーベルアワードから学ぶ、選ばれるブランドに必要な3つのこと


今回、ヤングレーベルアワードを実際に見たのは初めてでしたが、ランジェリーカレッジ学長としての目線で感じたことを最後にお話しさせてください。
洋服や美容業界ほど数は多くないものの、ランジェリー業界でも大手企業が毎年新商品を発売し、新しいブランドが次々と誕生しています。かつての「あうものがない時代」とは異なり、現代の消費者はすでに複数のランジェリーを所有している状況です。
だからこそ、『お客様に選ばれる』ということはどういうことなのか?何が必要なのか?を改めて考えさせられました。
ここで言う「お客様」とは、あなたの商品にお金を出して購入してくれる最終消費者のことです。
しかし、商品がお客様の手に届くまでには、様々な人々との出会いがあります。
- ヤングレーベルアワードの審査委員のような業界関係者
- 卸売先のショップオーナーや販売員
- メディア関係者
- インフルエンサー
私は、こうした関わるすべての人の心を動かせるかが、個人でスタートするビジネス成功の鍵だと考えています。
実際にヤングレーベルアワードの展示を見て、選ばれるブランドに共通していた要素を3つに絞ってお伝えします。
①新鮮さがあること
市場にすでに多くのランジェリーが存在する中で、「見たことがない」「これは新しい」と思わせる要素は不可欠です。それは必ずしも奇抜なデザインである必要はありません。素材の選び方、製法の工夫、コンセプトの切り口——どこかに「このブランドならでは」の新鮮さがあることが重要です。
今回のファイナリストを見ても、NEYIのアップサイクルシルクやTHE INTERIORの内面を照らすというコンセプトやパターンや縫製技術は独自の「新鮮さ」を持っていました。
②着用・使用のイメージが湧くこと
どんなに美しいデザインでも、「これを着た自分(や誰か)」が想像できなければ、購入には至りません。
- どんなシーンで着けるのか
- 着用することでどんな気分になれるのか
- 自分のワードローブにどう馴染むのか
こうした「自分ごと」としてイメージできることが大切です。
展示の仕方、モデルの雰囲気、ブランドストーリーの伝え方——これらすべてが、見る人に「着用イメージ」を与えるための要素となります。GUAGUALADYの”SHOULD BE MORE”というメッセージや、JARDIN et LUNEの身体を庭園に見立てた哲学は、単なる商品説明を超えて、着用する意味を伝えていました。
③哲学・情熱があること
最後に、そして最も重要なのが、ブランドの背後にある「なぜこれを作るのか」という哲学と情熱です。
審査員も、バイヤーも、メディアも、そして最終的にはお客様も——心を動かされるのは、作り手の強い想いだと私は考えています。
- なぜこのブランドを立ち上げたのか
- 誰のために、何を解決したいのか
- どんな世界観を届けたいのか
NEYI創設者Lilyさんの環境と肌への配慮や。昨年2位AROMATIQUEの94年の伝統技術への誇りなど、哲学が明確だからこそ、製品にも一貫性が生まれ、人々の共感を呼ぶのです。
おわりに
ヤングレーベルアワード2025に集まったブランドは、いずれもこれらの要素を備えていました。
これから新しいランジェリーブランドを立ち上げる方はもちろん、ランジェリースタイリストを目指す方にもこの3つの視点は必ず役に立つはずです。
お客様から選ばれる『ブランド』になるために。
——あなたの夢を叶える参考になれば幸いです。

今回の取材は、ランジェリーライターの川原さん、NEYIのLilyさんのおかげで大変素晴らしいものとなりました。
心からありがとうございました!


