日本ランジェリースタイリスト協会 | HP
『ランジェリースタイリストは死ぬまでしたい仕事』2023年躍進の裏にあった家族への想い
今日はランジェリースタイリスト養成講座6期卒業生のいわがわあかねさんに2回目のインタビューをさせていただきました。
2023年は様々な新しいお仕事に挑戦されたあかねさん。
誠実で実直。そんな印象の裏に、好奇心旺盛なところや、決めたことは全うする強さ、そしてしなやかさも感じる時間でした。
ランジェリー業界未経験からランジェリースタイリストとして活躍されるまでの道筋は必見です。
世の中が大きく変化する中で生まれた思い
ゆうり)あかねさん、今日はよろしくお願いします。
あかねさんはランジェリースタイリストになる前は何をされていましたか?
ブライダルの演出会社で働いていました。事業開発部で商品開発や広報など様々な業務をしましたが、
その中でもブライダルフェアでの接客というのが、今の仕事にも繋がっているなと感じています。
ゆうり)どういったお仕事なのですか?
おふたりが理想とする結婚式を作り上げるためには何が必要で、どうしたら実現できるのか?
ということを一緒に考えて、商品をご提案をするという内容です。
これは世界中のランジェリーの中から、お客様に合うものを見つけ出して
その方の理想の姿を実現するという今のお仕事と結構似ているなと、思っています。
ゆうり)確かに、ものは違えどお客様の理想を叶えるためのご提案という面では同じですね!
ゆうり)ランジェリーカレッジに申し込みされたのは、ブライダルの会社を辞めるのと同じ時期だったということですが、新しい世界に飛び込むことに不安はありませんでしたか?
当時は新型コロナウイルスが流行し始めた頃で、お仕事の状況が大きく変わったんですね。変化した日々の中で出勤日数やお給料が減ってしまった事に対して不満を抱くようになってしまい「このまま不満を抱えて生きるのではなく、すべて自分の責任で新しいことに挑戦してみたい!」と思うようになりました。
新しい挑戦のひとつとして選んだランジェリーカレッジの講座
そして、そんなタイミングでセルフスタイリング講座の募集がかかったんです。まずは新しい挑戦の一つとして申し込みました。
ゆうり)ランジェリーカレッジはもともとご存知だったんですか?
そうですね、最初の1期の頃から知っていました。
ゆうり)おお!そんな初期の頃から見られていたんですね!それはなぜですか?
ランジェリーが好きで、情報収集してたから!まさかこんな形でつながるとは、驚きですよね笑
ゆうり)そのあとはどうされたんですか?
ランジェリーカレッジなら活躍できる気がした
そのあと、※ランジェリーアドバイザー養成講座とランジェリースタイリスト養成講座の募集があり、そちらへ進むことで
1年後仕事になるなと思い、申し込みました。
※現在はランジェリースタイリスト養成講座に統合。
中根)申し込む前に「仕事になるかも!」と確信を持てたのですか?
そうですね笑
なんかできる気がしたんですよね笑
未経験でも活躍できるだろうと確信が持てるカリキュラムの内容で、安心感があったので飛び込めました。
本気でやればいけるだろうと。
中根)未経験だとカリキュラムの内容も難しかったのではないですか?
確かにテキストを受け取った時は、何が書いてあるかわかりませんでした。
でも講座が始まって菜穂子さんのサポートも手厚かったり、質問したらすぐに答えてくださったので
初心者でも始めやすい環境に、良いタイミングで出会えたなと思っています。
不安よりも、新しいことを始めるワクワク感の方が大きくて怖いとか、心配とかもなく次に進めたんですよね。
ゆうり)すごい!なんだか運命的な、ご縁のようなものを感じます。
ここが自分が探し求めていた場所
ゆうり)もし同じタイミングで他の業界、例えば同じブライダル系のお仕事などの募集があればそちらへ転職することも考えましたか?
それはなかったです。独立し、すべて自己責任でお仕事をしたいとの思いからの退職でしたから。それと、実は高校から美術進学し大学ではテキスタイルコースへ進み、生地素材や染色、色について学んでいたので、その知識と経験を今後もお仕事で生かしたい思っていたんです。
ゆうり)そうだったんですね。探し求めていたものと出会えたということなのかもしれませんね。
そうですね。生地や染色、色について勉強していた過去は、ランジェリー業界でも活かせるなと思ったのも今のお仕事を選ぶ上で大きかったかもしれません。
ゆうり)高校や大学での学びや、ブライダルの演出会社での接客など、それまでやってきたことが全てつながっているんですね。
ランジェリースタイリストは死ぬまで続けたいと思える仕事
ゆうり)現在はどんなお仕事をされていますか?
卒業してすぐはオンラインでのカウンセリングサービスをしていましたが、大きく変わったのは、今年の春です。
展示会やpopupにお邪魔したり、イベントに登壇させていただいたり、外に出る機会がグッと増えました。
その中でも大きいのは、社会人向けスクールでランジェリーデザインコースの講師をさせていただくようになったことですね。
ゆうり)講師のお仕事はどのような経緯で始められたのでしょう?
担当の方がInstagramで私を見つけてくださり、お声掛けいただきました。
ゆうり)すごいです!他はどんなお仕事をされていますか?
会員制でお客様に合わせカスタマイズしたランジェリー情報をお届けしたり、スタイリングを行うサービスをしています。人の身体は常に変化する為、ランジェリーを1回選んで終わりにはできません。
その時々で必要なものは変わるからこそ、長いお付き合いをさせていただき、その方の”今”に合ったものを常にご提供したい。そのために、会員制でお一人お一人とじっくり向き合える環境をつくりました。
ゆうり)まさにあかねさんらしいサービスだなと感じます。
単発のサービスも、いいランジェリーに出逢える機会を提供できるという面では素敵ですよね。
ただ、私の場合時間をかけてお一人お一人と真剣に向き合う、というところが性格的にも合っていて。
自分でサービスの作り方を選べる環境の今、得意なことを織り込んだサービスを提供することがお客様の満足度にもつながると考え今の形となりました。
出会えたお客様とは10年、20年と長くお付き合いをしていきたいと思っています。
ゆうり)まさにランジェリースタイリストでなければ叶えられなかったことかもしれませんね。
本当にそうですね。販売員ではできなかったやり方だと思うので、ランジェリースタイリストという職業に出会えたことで実現できたというのはありがたいです。
中根)10年、20年スタイリストであり続けるということですね!
もちろんです。死ぬまでこの仕事をしたいと思っています。
自ら取ってきた仕事で意識が変わった
ゆうり)すごい…。ランジェリースタイリストとして、思い出深いお仕事はありますか?
やはり社会人向けスクールの講師業でしょうか。
元々ランジェリー好きというのもあり、これから新しいブランドが立ち上がるかもしれないという瞬間に立ち会えていることが光栄ですし、自分が持っている知識を通して、未来のランジェリー業界に貢献できていると感じられることが大きいです。
思い出深いというと今年の夏、授業に菜穂子さんとランジェリースタイリストのみやさんをお招きしたんです。
初めて自分で取ってきた仕事だからこそ、そこにおふたりをお招きできたというのは自分自身の成長を感じられました。
この日の写真は今でも見返しますし、本当に宝物となった1日です。
今後も、思い返して大事にできる時間だったなと思っています。
ゆうり)ターニングポイントになるような素敵な1日だったんですね…。
強い原動力は2つの思いから
ゆうり)あかねさんの原動力はなんでしょうか?
常に、いつまでに自分がどうなっていたいのか?を明確にして、何が必要なのかを理解する。そしてそれに向かってあとはただやるだけ!の状態をつくるように意識しています。
とにかくやらなかったという後悔をしたくないんです。
20代前半の頃、祖母に誕生日プレゼントをもらったことがあったんですが、忙しくて感謝を伝えることを先延ばしにしていたら突然、祖母が倒れてしまって。そのまま意識が戻ることは無く、直接お礼をいうことが叶わなかったということが過去にありました。
祖母が亡くなる前にも友人を交通事故で亡くしていて、その際に人が突然居なくなることがあると学んでいたはずなのにこの様なことになってしまい、大きな後悔が今でも残っているんです。
仕事も、自分で選んだことなのに、本気でやらなかったがために辞めることになってしまったらすごく後悔するでしょうし、やれることはちゃんとやろう!と思っています。
それと、家族を守りたいという気持ちもあります。
実は小さな頃から身体は健康なのですが、耳と目が悪く(現在、耳は完治しています)通院や手術を繰り返していて、本当に長い間、家族に苦労をかけてきたんです。だからこそ、両親には残りの人生はなんの不安もなく、安心して楽しく穏やかに過ごしてほしいと思っています。それを実現させるために、自分は仕事をしっかり続けることが必要ですから。
ゆうり)後悔をしたくないという気持ちと、ご家族への想いが、あかねさんの原動力でもあるのですね。
これからランジェリースタイリストを目指す人へ
ゆうり)これからランジェリースタイリストを目指す方にメッセージがあればお願いします。
ランジェリースタイリストというお仕事自体は、私も未経験から始めましたし、「ランジェリーが好き」という気持ちがあれば、誰でも、何歳からでもチャレンジできるお仕事だなと思っています。
カリキュラムはちゃんとしているし、全てを吸収することで、未経験でも絶対に大丈夫です。私もできましたし!
そして、私が始めた頃に比べるとランジェリースタイリストも増えてきて、各々が活躍をし、新しい仕事をすることで道筋を作ってくれています。だから、これからランジェリースタイリストになる人にとっては、一歩目のハードルが下がっているのではないかなと思います。
新しいチャレンジへの不安はもちろんあると思いますが、闇雲にもがき続けることなく前に進めるという部分では、安心して飛び込んできてもらえると嬉しいなと思いますね。
ゆうり)確かに。ランジェリースタイリストも増えましたよね。
ですよね。笑
それに、ランジェリースタイリストもみなさん本当にランジェリー愛に溢れた素敵な人たちなので、そういう意味でも安心感があるのではと個人的にはと思っています。
「ランジェリーが好き!」と堂々と言える社会へ
ゆうり)今後の夢はありますか?
やっていきたいのはランジェリースタイリストという職業の知名度をもっと上げ、社会で磐石な地位を築くこと。
それに伴って、ランジェリースタイリストを目指す人も増えたら嬉しいので、そこにチャレンジしたいと思ってもらえるように、私自身も、”活躍しているランジェリースタイリスト”であり続けたいなと思っています。この職業で生きていて、しかも楽しそうに仕事をしている、というのは、新しく挑戦する人への安心感やワクワク感、飛び込もうと思える期待感につながると思うからです。挑戦する勇気を与えられる存在でありたいですね。
ゆうり)最後に…ランジェリースタイリストになって1番よかったことはなんですか?
そうですね、職業にしたことによって、「ランジェリーが好き」と堂々と言える立場を手に入れたことですね。笑
もちろん堂々と言っていいし、そういう社会であってほしいけれど、やはりまだ日本ではランジェリーは隠すものという認識が強くあるように思います。「趣味はランジェリーです!」と誰にでも堂々と言えるわけではないですよね。その中でも、最初のステップとしてそういう立場を手に入れたのは嬉しいです。
ゆうり)ランジェリー好きとしてはすごくわかります。笑
今後、私たちが頑張っていくところでもありますね!
そうですね。ランジェリーの位置付けというか、社会の意識が変わる活動をしていきたいですね!
ゆうり)あかねさん、今日は本当にありがとうございました!
いわがわあかね
ランジェリースタイリスト
Lingerie Collegeランジェリースタイリスト養成講座卒業生。現在は日本ランジェリースタイリスト協会(通称:JLS)に正会員として所属し、社会人向けスクールランジェリーデザインコースにて講師を務める他、京都・オンラインを中心に個人のライフスタイルに合わせたランジェリーのスタイリング提案を行い「夢を叶える」過程を下着でサポートしている。