日本ランジェリースタイリスト協会 | HP
2026年下着の常識が変わる!?パリ発・最新ランジェリートレンド解説【パリ国際ランジェリー展レポート】
こんばんは。ランジェリーカレッジ学長の中根です。
今日は、2026年1月18日にパリで開催されたジョス・ベリー氏によるトレンドセミナーの内容を独自の視点を交えて解説します。ランジェリーが好きな人にとってはもちろん、ランジェリーの仕事(スタイリスト・ブランド・ショップ)をする方にとっても役立つ内容を目指して書いたのでぜひご覧ください☺


はじめに:ランジェリーは「下着」を超えた存在へ
「ランジェリーは、服の下に着るものですか?」
「服の上に着るものですか?」
そう聞かれたらあなたはどう答えますか?
従来の下着のイメージは、服の下に隠れ『体を保護するもの』『ボディラインを整えて美しく見せるもの』『自分をよりセクシーに見せてくれるもの』というイメージがありました。
華やかな下着を着る=誰かの目を意識しているという印象もあり、華やかなデザインを敬遠する方も少なくなかったように思います。
時は流れコロナ禍前後、「誰かのためではなく自分のため」「ご自愛」というメッセージを打ち出すメーカーが多くあらわれたり、ランジェリー好きな方々がSNSで好きなランジェリーを投稿することで「自分のため」「自己表現」としてのランジェリーが少しずつ広がり始めました。(私もその一人です)
更に、ファッションのトレンドに長らく『シアー素材トップス』『ランジェリー』が上がり、一般に浸透しているとまでは感じられていませんが、ランジェリーが好きな方、ファッション感度が高い方が『ランジェリーを服の上に着る』ことを実践しています。
日本ではまだまだ、きっと9割以上の方が
ランジェリー(下着)とは服の下に隠れ『体を保護するもの』『ボディラインを整えて美しく見せるもの』『自分をよりセクシーに見せてくれるもの』
というイメージがあると思います。
でも、世界はもう前に進んでいます。
トレンドセミナーで語られたのは、自分の感情に合わせてランジェリーを着替える。というもの。
を、ジョス・ベリーが語った最新トレンドを4つの感情から解説していきます。
Jos Berry(ジョス・ベリー)とは?ランジェリー&スイムウェア業界において世界的な評価を得ているクリエイティブディレクター、トレンド予測の専門家。
Concepts Parisの創業者兼CEOとして30年以上のキャリアを持ち、業界のビジョナリーとして知られています。
① Sweet(カワイイ)〜自分を優しく甘やかす、癒やしの時間〜
忙しい日常の中で、誰だって「可愛らしく、愛されたい」と願うもの。
パステルカラーやリボンがいくつになっても好き。という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
私も時々選びたくなるのですが、キャラじゃない・・・。ということでリボンがトレンドだった昨年も挑戦できず。
そんな方へノスタルジーと現代的な皮肉(アイロニー)が混ざり合った「新しい甘さ」の提案です。
これは単なる可愛らしさの追求ではありません。
かつて、マリー・アントワネットが着ていたようなコルセットやリボンは、女性の身体を締め付け、不自由にさせる「抑圧の象徴」でもありました。
- ノスタルジー: 貴族的な美しさ、優雅なリボン、パステルカラーへの憧れ。
- アイロニー(皮肉): その「いかにも苦しそう・窮屈そう」に見えるシルエットを、実は最新のスポーツウェア並みの「超絶ストレッチ素材」や「無縫製技術」で作る。
「クラシックで不自由に見えるのに、実は楽!」というギャップこそが、現代的な皮肉(アイロニー)を効かせた「新しい甘さ」の正体です。
スタイリングに活かすなら
・あまいパステルカラーのブラに、あえてダメージデニムや、ミリタリーブーツを合わせる。
・ヴィンテージランジェリーに透け感のある素材や、メタッリク素材と合わせるなど。

② Nature & Calm(自然と安らぎ)〜自分を整える〜
世界が騒がしいとき、私たちは「安らぎ」を求めます。カシミアやメリノウール、そして深く静かな「ストーミー・ブルー(嵐の青)」を纏うこと提案し、下記のブランドを紹介しました。
主要な注目ブランド:
Intimissimi: ウールカシミアのデイリーウェア。
Wolford: ボディウェアの技術的リーダー。
Chantelle: 快適さとモダンデザインの融合。
Smartwool: メリノウールによる100ドル超えの高機能Tシャツの成功例。
また、シャネルのリバイバルを受け、ニットやジャカードで表現するツイード調のテクスチャが旬です。
スタイリングに活かすなら
・ON/OFFのランジェリーを分ける。
・眠るときのランジェリーは自分を整えるものにするなど切り替えを意識するのがおすすめです!
セミナーでは自然由来の高機能素材が市場をリードしているということだったので、天然素材以外にも目を向けると運命のランジェリーと出会えるかも。

③ Playful(遊び心)〜正しい美しさより、楽しい驚きを〜
これまでのランジェリーは、大きく分けて「誰かのためのセクシー(誘惑)」か「自分のための実用(機能)」のどちらかでした。 しかし、Z世代からα(アルファ)世代にかけて、新しい価値観が生まれています。
それは、「自分が面白がるためのファッション」です。
ジョス・ベリーはこう言います。
「ベージュやブラウンの地味な展示スタンドはガラガラなのに、遊び心のあるスタンドは人で溢れていた。今、世界は『真面目さ』に飽き飽きしているのです」
不透明な社会情勢だからこそ、深刻にならずに「ユーモア」を武器にして生き抜く。そんなポジティブな反抗心が「プレイフル」の正体です。

スタイリングに活かすなら
・好きなモチーフ×普段は選ばないデザインのランジェリーを選んでみる
・好きなモチーフのパジャマなどを夏のスタイリングに取り入れる
シーンは限定されそうですが、自分を喜ばせる新しい視点として素敵ですよね。
④ Noble(気高さ)
最後のエモーションは、自分を女王のように称える『Noble(高潔な気高さ)』。
「これは、単なる贅沢ではありません。自分の価値を誰よりも自分自身が認め、敬意を払うという『精神のあり方』です。 繊細なリバーレースや、芸術的な3D刺繍を纏うとき、私たちは単に服を着ているのではありません。自分の中にある『品格』を呼び覚ましているのです。」という言葉が印象的でした。

「Luxury(ラグジュアリー)」と聞くと贅沢していいのかな?という気持ちになりますが「Noble(ノーブル)」と聞くと、自分の内面を整えようというポジティブな意志が湧いてきますよね^^
スタイリングに活かすなら
・ドレスのようなランジェリーを選んでみる
・伝統あるランジェリーブランドのランジェリーを纏ってどんな気持ちになるか確認してみる
ジョスが「伝統的な刺繍や技術を祝福すべきだ」と語っていたのですが、流行り廃りの激しいファストファッションとは対極にある、「時を超えて愛される価値」。それを纏った時、大人になったというか、自己成長を感じられた瞬間でした。試着だけでもおすすめです!
未来は「科学」と「デザイン」でできている
この4つの感情を支えるのが、ジョス・ベリー氏が絶賛した「Female Engineering(フィーメール・エンジニアリング)」です。
生理や更年期の悩み、温度調節……。こうした身体の不快を「科学」で解決し、その上に美しい「デザイン」を施したブランドです。「技術がパワーを与え、デザインが魂を与える」 このバランスこそが、未来のランジェリーが目指す究極の姿と話します。

パリで出会う吸水ショーツは年々快適に、オシャレになっていると感じます。
「ランジェリー」には様々な役割があると思いますが、ジョス・ベリー氏が言うように女性特有の悩みを技術で解決し、デザインで気分まで上げてくれるとしたら・・・多くの女性たちにとってより一層豊かな未来が訪れそうです。
終わりに:スタイリングに正解はない。でも「選ばれる理由」は作れる。
ブランドやショップをつくることも、スタイリングにも、たった一つの「正しい答え」などありません。
でも、もしあなたがプロとして活動していくのなら、一人でも多くの人に見つけてもらい、長く深く愛される存在を目指したいですよね。
そのために必要なのは、ただ流行を追うことではなく、社会が今何を求めているかという「視点」と、未来を読み解く「生きた情報」です。
今回ジョス・ベリー氏が語ったような、ランジェリーの枠を超えた新しい価値観。
これは個人でランジェリーの仕事をしていくなら、決して目を背けられないポイントです。
「今日の話をもっと詳しく聞きたい!」 「選ばれるプロ(ブランド、ショップ、スタイリスト)としての視点を手に入れたい!」
そう感じた方は、ぜひこの機会に講座にご参加ください。
新しい時代のランジェリーを、一緒に形にしていきましょう☺



